お中元やお歳暮は、日頃からお世話になっている方々に感謝の気持ちとして贈るものです。
仕事の関係で、お世話になった人や上司、取引先、親戚やお稽古ごとの恩師などに感謝の気持ちと季節の挨拶の意味を込めて贈るのが一般的です。
社会人になったことを機に今年入社した新社会人の方や、結婚して最初のお中元、お歳暮を贈ろうとされている方もおられると思います。
お中元やお歳暮でのマナーや、のしの書き方、贈る時期やギフトの選び方などについてわかりやすく説明していきましょう。
基礎知識とマナー
お中元とお歳暮の違い
お中元とお歳暮は似ていますが、それぞれの贈り物の意味や目的は別物です。
お相手の健康を気遣いつつ感謝を伝えるものがお中元、一年間の感謝と挨拶を形にしたものがお歳暮と言われています。
一年の締めくくりとして、来年も今までと変わらないお付き合いの願いと気持ちを込めて御歳暮だけを贈る方も増えています。
贈る時期
お中元、お歳暮を送る時期は、関東・関西など地域によって習慣が違うこともありバラバラです。
お中元は、東日本が7月上旬から15日まで、西日本は7月中旬から8月15日まで
お歳暮は、東日本が11月下旬から12月20日頃、西日本は12月13日から20日頃が一般的とされています。
北陸地方は地域により細分化されていますので、間を取った7月15日頃に到着するのが無難と言えるでしょう。
関東のお中元の時期が早い影響により、全国的にお中元の時期も早まってきている傾向があります。
遅れるよりは早いに越したことは無いので、早めの準備が安心です。
お中元 | お歳暮 | |
北海道 | 7月中旬から8月15日まで | 12月10日から20日頃まで |
東北・関東 | 7月上旬から7月15日まで | 12月初旬から20日頃まで |
北陸 | 地域によって異なる | 12月10日から20日頃まで |
東海・関西・中国・四国 | 7月中旬から8月15日まで | 12月10日から20日頃まで |
九州 | 8月1から8月15日まで | 12月10日から20日頃まで |
沖縄 | 旧暦の7月15日まで | 12月10日から25日頃まで |
時期を過ぎた場合
忙しくて送る時期が過ぎてしまった場合など、のしの表書き変えれば失礼はありません。
お中元では関東、東北、沖縄の場合、立秋の8月8日か9日までは「暑中御見舞」に、立秋以降は「残暑御見舞」に、他の地域では8月16日を過ぎた場合に「残暑御見舞」で贈りましょう。
お歳暮の場合、松の内の1月7日までは「御年賀」、松の内以降は「寒中御見舞」に、書き変えれば失礼はありません。
お中元 | 暑中御見舞 | 残暑御見舞 |
7月上旬から7月15日 | 7月16日から8月8日頃(立秋) | 立秋から8月下旬 |
お歳暮 | 御年賀 | 寒中御見舞 |
12月初旬から12月31日 | 1月1日から1月7日(松の内) | 1月8日から2月4日(立春) |
金額
贈り物の金額の目安は、気を使わない間柄や取引先であれば一般的に3000円、お世話になっている目上の人なら5000円程度。
お贈りする相手によって、特別にお世話になった方などには1万円以上のものを贈ることもあります。
ある程度の年齢になると金額も多めになってくると思いますが、御自身の年齢が20代・30代の場合は金額ではなく、相手の趣味や嗜好に合うものを贈るほうがお互い気を使うことも無く気持ちが伝わるのではないでしょうか。
のし紙の書き方

贈り物の包み紙を結ぶ紙製の帯紐のことを水引といいます。
最近では水引が印刷された、のし紙(かけ紙)を使用することが一般的になりました。
のし紙(かけ紙)の上書き(上の部分)には「御中元」「御歳暮」など、下書き(下の部分)に送り主の名前を書きます。
鮮魚を贈る場合などには、マナーとしてのし紙はかけてはいけないので注意が必要です。
お返し
基本的にお返しは必要ありません。
本来、目下の者から目上の方へ日頃の感謝の気持ちを込めて贈るものだからです。
ただし、いただいた場合はお礼状を出しましょう。
相手によっては電話やメールでも良いと思います。
いただいたお礼をするとともに、無事に品物が届いたことを相手に知らせる意味合いも兼ねています。
お中元・お歳暮の選び方
贈り先は人によってバラバラですが、初めての場合は何を選んで贈ればよいのか品物選びに迷ってしまう事もあるでしょう。
予算内で確実に喜んでもらえる品物を選ぶのはとても難しいと思います。
贈る方の趣味や嗜好、家族構成などから相手の好みに合わせた品物を選びましょう。
定番
お中元の定番と言えば、ビールやジュースなどのソフトドリンク。
そうめんや海苔、メロン、洋菓子やゼリーなど暑い夏の贈り物らしいラインナップ。
お歳暮は、お正月が近いこともあり、カニやフグ、伊勢えびや鮭などの海産物、肉類やハムなどが人気です。
お中元同様にビールや定番のドリンク、フルーツもお歳暮でも良く選ばれます。
どうしても決めかねる場合は、最近人気のカタログギフトを贈るのも良いでしょう。
好みの商品を選んで取り寄せられるので喜ばれると思います。
贈ってはいけないもの
お中元のギフトを選ぶ際、以下のようなものは避けた方がいいでしょう。
・受け取る人が働いている会社のライバル会社の製品
・(食事制限がされている方・それがわかっている場合)制限にあたる食品
・(目上の方へ)時計・カバン ※「勤勉」という意味合いがあるため
・靴、マット、スリッパ ※「踏みつける」という意味合いがあるため
・刃物、ハンカチ ※「縁が切れる」という意味合いがあるため
さいごに
お中元、お歳暮は一度始めたら続けることが大事です。
2020年上半期は誰かと会うことが難しい日が続きました。
日頃の感謝を物に込めて贈るという貴重な機会を大事にしたいですね。